孫さんから、授けていただいた『一道智頂風』という考え方
「親愛なる孫正義君へ ”忙” は、心を亡ぼすこと」
≪先日、菅首相の横で「あと十年もつづけてください!」と笑って叫んだ君をテレビで偶然みかけ、思わずわが目と耳を疑った。
三十余年に亘って君に心から敬愛感を抱いてきた年長の友人として僕は、今多くの国民の非難の的となっている”死に体”の権力者に、君が嬉々と接近したことを憂うる。
退陣表明後も”居座り”に汲々としている菅首相は、君が突然”自然エネルギー開発”を表明した相前後、それまで口にもしなかった大規模”太陽光パネル”構想を急に打ち出すとともに、「再生可能エネルギー特別措置法案」提出までしようとしている。
これは、果たして偶然の一致なのだろうか?
自然エネルギーの開発技術が完全に実用化されるまでには予想以上に長い年月を要するはずだ。
だから、60歳で引退を公言してきている君が全力を傾注すべき目標は、やはり、わが国の情報基盤(光の道)の完全自由化ではないのか?
政治家は概して利己的だから、君の価値は君の人柄とか理想ではなく、君の名声と財力だ。
彼らは人一倍猜疑心が強いから、菅失脚後は、自民党はおろか民主党の主要政治家も君とは社会的距離を置くだろう。
そして彼らは非情だから、ひとたび君の落ち度を見つければ、躍起となって襲ってくる。
これまでの人生で、僕はそうした例を嫌というほど見てきた。
仮に、そういう政治家を手玉にとるだけの知恵としたたかさが君にあったとしても、残念ながら、最近の異常な忙しさは、その才能の発揮を妨げるに違いない。
長年君を見つづけてきた僕には、今の君は30年前の大病以来の危機に立っているように思える。
あの時の危機は単に肉体的なものだったが、今回の危機は精神にも及びかねない。
”忙”の解字は、「心を亡ぼす」ことだ、ということを、くれぐれも銘記してほしい。≫とあった。
これは、孫さんにとっても私たちにとっても、大変貴重な助言だと思います。
私がメリルリンチ大手町オフィスに勤務していた1995年1月に阪神淡路大震災、3月には地下鉄サリン事件が起こりました。
急遽、神戸の小学・中学・高校と大学が同窓の現パソナ代表であるN氏の開催した[アントレプレナー会議]での忘れ得ない場面を思い出すことになりました。
多摩大学学長であったN先生と孫正義氏・N氏の震災と事件についてのパネルディスカッションで幕が開けました。私の他に約30名ほどの参加者がおられました。
私の左の隣の席に、HISのS社長、右には、グロービスのH社長、前には、レストランHIRAMATSUのH社長、ソフマップのS社長、スリムビューティーハウスのN会長ら多くの若手経営者たちが、3人の熱弁と討論を聞きいっておられました。
其の後、名刺交換の折、私は孫さんに『私に、座右の銘を授けてください。』と申し出ました。
孫さんは、『一道智頂風』と私の手帳に書いてくれました。
『どういう意味ですか?』と尋ねました。
孫さんは『旬子の1節ですが、一つの道の頂点に立って初めて、世の中に吹く風の流れを掴むことができる』という意味です。
『黒田さん、早く独立しなさいよ、そして、互いに1兆、2兆と数えながら頂点を目指しましょう。』と笑って答えてくれました。
これ以来、私は、国際金融経済ビジネスで、ニッチでもいいから、日本で1番を目指し、努力してきました。
今後とも、この道一筋に頂点を目指し1兆、2兆を目標に生きる覚悟をしています。
[ 2011/08/24 ]


